活用するにはどうすればよいか

これからの介護業界では、科学的介護の実践とそれに伴うLIFE(科学的介護情報システム)の運用が求められる。科学的介護とは、業界内で様々な介護に関連するデータを共有して、科学的に有効だと認められた介護サービスの提供を目指す試みである。そして、科学的介護を実践するための介護に関するデータを収集・蓄積・分析するためのデータベースがLIFEである。更にLIFE加算(科学的介護推進体制加算)というLIFEを活用することが介護報酬に関わることとなったため、介護業界においてはLIFEの活用が不可欠となった。

このLIFEを活用するというのは、PDCAサイクルを回すことが基本となる。まずPLAN(計画)、介護計画を立て、その計画書を作成する。次にDO(実行)として、計画書に基づいた介護サービスの提供を行う。そしてCHECK(評価)では、利用者の心身の状態や介護サービスの実績をLIFEにデータ提供する。最後にACTION(改善)で、LIFEからのフィードバックを基に介護計画を改善する。このように、各事業所から介護に関連するデータをLIFEに収集し、それを分析したフィードバックから介護サービスを改善していくというサイクルを回していくことが科学的介護に求められていることである。

現時点でのフィードバックは、各事業者の登録情報の集計程度に限られている。そのため現状でフィードバックを活かすには、各自でデータを解釈して、他事業所との差別化を図ったり、介護サービスのどの部分に改善の余地がありそうか見定めたりといった工夫が必要である。